
今回は前回ご紹介いたしました吉祥寺の隣駅、三鷹に行ってまいりました。
と、いっても吉祥寺から徒歩でも行ける距離ですので、吉祥寺を歩いたその足で向かった次第です。
三鷹はメジャー7による昨年の『住んでみたい街』ランキングでも22位に入る人気の街です。
その三鷹が今、マンション販売の激戦地区となっています。
古くから住宅街として成長してきた街で、駅周辺には商店街も発達しており、
また、北西から駅の真下を通って南東へ流れる玉川上水のグリーンベルトが、
南北どちらの駅前にも豊富な緑を供給しており、四季折々の自然が愉しめます。
また、街全体がフラットで、井の頭公園も徒歩圏内、
そしてなんといっても中央特別快速停車駅であり、
JR総武線及び東京メトロ東西線の始発駅である交通利便性など、この街の魅力は豊富です。
よって、単身者からディンクス、ファミリー、高齢者に至るまで、どなたにとってもおすすめできる街です。
そんなどなたにとっても住みやすい街での供給増はとても喜ばしいことなのですが、
だからといって即「三鷹でのマイホーム購入のチャンス」とはいかないのが世の常です。
三鷹は成熟した街だけに、駅に近い立地での大規模物件はなかなか出ないと思っておりましたが、
現在北口駅前では三鷹の新しいシンボルともなりうる大規模ツインタワーが販売中です。
一方、大規模・タワー物件と対照的な低層小規模物件も緑多き住宅街に供給されています。
その他、駅近物件あり、バス便物件あり、
所有権はもちろん、価格が抑えられる借地権物件までもが複数供給されています。
しかし、一見選択肢が多いように見えますが、これらを購入できる人はやはりかなり限られます。
まず、間取りのバリエーションがやや偏っているように思います。
全体的に1Rから2LDKの供給が多く、3LDKは70㎡未満、4LDKも90㎡未満と
比較的小さめの住戸が中心です。
逆に、中には100㎡超の3LDKなど、かなりゆったりした間取りを供給している物件があるものの、
これらの価格は1億円を超える水準。とても一般的なサラリーマンが買える金額ではありません。
人気があり、どんなライフスタイルも受け入れる街でありながら、
そのことが相場を上昇させ、住める人を限定してしまうのは残念ですが、仕方のないことでもあります。
そして現在、三鷹駅南口より徒歩数分の禅林寺通りは数棟の借地権物件の激戦地区となっています。
大通りから1本中に入った通りなので交通量が少なく静か、しかも駅や商店街にも近いのですが、
この通りの両側にはマンションが建ち並び、日当たりや眺望の条件は決して良くはありません。
さらに“借地権”であることが購入者を限定しているようです。
一言で“借地権”といっても、地主との間でどのような契約を結んでいるかによって
地代や更新料等の費用負担等、条件が異なり、
また、将来どのような不利益が生ずるかなかなか予測が難しいことから、
私自身も借地権付分譲マンションの購入は慎重に判断すべきと感じています。
よって、結果的に三鷹での中心となる購入者層は、まず「かなりのお金持ち」、
そして家族数の少ない「シングル」、「ディンクス」に限定されそうです。
ただ、1億円近い予算があるなら、何も三鷹でなくてもさまざまなエリアで購入が可能です。
ということは立地条件や物件に魅力があっても、販売の長期化が予想されます。
つまり三鷹は、販売する側にとっても購入する側にとっても
不動産売買の難易度が高い“激戦地”とも言えましょう。
交通利便性や生活利便性に富み、“住んでみたい街”でありながら、
ランキングで22位という微妙な位置づけであるという点が、この街の最大のネックなのかもしれません。
昨年、今年と、首都圏ではマンションの供給が
ピーク時の半分程度まで減ってしまいましたので、
販売の“激戦地区”も減ってしまいました。
新築マンションに限定して物件選びをなさる方にとっては、
検討エリアで過剰にならない程度に多数の物件があった方が比較検討ができ、
また、希望の物件に出会える可能性が増えるのではないかと思います。
よって、“激戦地区”はマンション購入検討者にとっては
メリットがある立地条件であると思うのですが・・・
今回ご紹介する「浦和」は、新築マンションが比較的コンスタントに供給されており、
埼玉県庁やさいたま市役所のある埼玉県の中枢であることから
埼玉県内で最も注目されている街であるといっても過言ではありません。
現在もセールスポイントの異なる物件が5物件以上供給されていますので、
選択肢も豊富で、検討にはよい環境と言えます。
また現在、JR浦和駅の高架化と駅周辺の再開発が進んでいます。
この一連の開発のさきがけとして東口には平成19年に浦和パルコがオープンし、
西口に比べてかなり寂しい印象だった東口に活気が生まれました。
平成24年には浦和駅に湘南新宿ラインが停車するようになることや
駅の南側の開発が引き続き進められていることからも
多くの方が浦和の今後に期待しているのではないかと思います。
それに加えて、浦和は教育水準の高い学校が多く存在する街としても注目されており、
埼玉県内では最も人気のある街です。
残念ながら『メジャー7』による『住んでみたい街アンケート』では
上位25位内に浦和はもとより埼玉県の街はランクインしておりませんが、
もし埼玉県内に限って『住んでみたい街』を尋ねたなら、
浦和はおそらくトップ3に入ってくると思われます。
しかし実際に訪れてみると、浦和駅西口に関しては、
“住んでみたい”とはなかなか思いづらい街並みです。
埼玉県政やさいたま市政の中心でかつ埼玉を代表する商業地、
また歴史ある神社や寺も残る文化の中心となっている西口一帯は
その大半の土地が商業地域に指定されています。
もちろん、その利便性を重視するなら充分な価値はあるのですが、住環境としては、
「商業地域に建つマンションは要注意!」と言わしめる悪しきお手本を
ここでは多数見かけることができます。
以下の写真はその一例です。
都市計画により土地の利用を区分する「用途地域」は12種類に分かれておりますが、その中で、「商業地域」は建築物の用途制限が最もゆるく、
大規模工場以外のほとんどの用途の建物が建てられます。
つまりパチンコ店やカラオケボックス、スナックやバー、ラブホテルなども可能です。
それだけでなく、敷地面積に対する建築面積や延べ面積の比率も高く、
日影規制を受けないため、写真のように既存の建物の南側に、たいした距離も設けず
高い建物を建てることもできてしまうわけです。
これでは日当たりも眺望もまったく期待できません。
それどころか、昼間でも真っ暗で、プライバシーすら気になり、
健康的な生活も送れないのではないかと思われます。
ここまでしてこの街の利便性が魅力でしょうか?
いや、こうした物件を購入された方の多くは、
こうなることを購入時には想定していなかったのでしょう。
今回、浦和を訪れ、変わり行く街に期待を寄せながらも
浦和に限らず、商業地域内の物件は要注意だということを改めて思い知りました。
もちろん全ての商業地域に建つ物件がこうなるというわけではありませんが、
本当に参考となる事例がありますので、商業地域内の物件を検討されている方は
ぜひ浦和の西口を訪れてみてはいかがでしょうか?
ついでに浦和はうなぎで有名な街、老舗うなぎ店でぜひご賞味あれ!
Life & Home Solusion 代表 西澤 京子