
先日、ある物件の購入に迷い相談に来られた方に、
どうしてこの物件を購入しようと思ったのか理由を尋ねましたところ、
「何かを気に入って選んだというより、消去法でこの物件になったという感じです。」
と回答なさいました。
これまで千件を超える住宅購入検討者とお話してまいりましたが、
物件を選んだ理由に「消去法で」と答える方は
かつて一人もいらっしゃいませんでしたので、正直私はかなりの衝撃を受けました。
首都圏の住宅価格はデフレ下にあっても依然として高く、
一般的なサラリーマンの収入ではなかなか希望通りの物件は買うことができません。
そのため、ほとんどの方が何かしらの条件を妥協することになるわけですが、
それでも例えば日当たりとか広さとか、駅からの距離だとか、
人それぞれ住宅に求める希望やこだわりがあるはずです。
特に気に入った部分がないにもかかわらず、
それでも数千万円もする住宅をなぜ今買わなくてはならないのか、
いくらお話をうかがっても釈然としませんでした。
もちろん、その理由がわからなければ解決しないことではありません。
そこでまずは「なぜ住宅を買うのか」と「なぜ今なのか」を
もう一度考えてみるよう案内し、
また物件の良い点、逆に懸念される点、そしてローンの組み方等のアドバイスをして
相談を終えました。
後日、その方よりメールをいただき、「再度考えたがやはり今買いたい」
そして「選んだ物件がこれまで検討した物件の中では総合的に最もよい」
とのことでした。
そこで気づいたのです。
この方にとって物件選びの優先順位の1位は「今買う」ことなのではないかと。
そして2位が「希望するエリア、沿線」。
だから日当たりとか広さとか間取りとかいう物件の条件は、二の次、三の次なのだと。
その後、売買契約を無事終えたとの連絡をいただき、
とりあえず私の心のつかえはとれました。
真意はいまだ定かではありませんが、
要は相談に来られた方が納得し、安心して物件を購入できればそれでよいのですから
これ以上追求するつもりはありません。
それにしても住宅購入のモチベーションって深いな~とつくづく思います。
しかも実に興味深い・・・。
そしてこれからも住宅購入検討者の複雑なモチベーションと悩みや不安と向き合い、
より安心、納得、しかも満足できる住宅購入を支援していきたいと
改めて決意したのでした。
Life & Home Solusion 代表 西澤 京子