
さて今回から始まった『要注意な購入検討者』シリーズの第一回目は
高収入ながらも貯蓄が少ない、もしくはほとんど無いという人についてです。
ここでいう“高収入”とは世帯年収で1,000万円を超え、
“低貯蓄”とは世帯貯蓄が500万円未満を目安とします。
先日2月21日(土)の日経新聞PLUS1に掲載されていた「マイホーム、買い時と思う?」という
アンケート結果に関する記事で、約56%の人が「買い時だとは思わない」と回答し、
その理由として1番に「充分な自己資金がまだたまっていない」、
次いで「不況のため、今後の生活に不安がある」と回答していました。
一方、約44%の人は、「物件価格が安い」ことや「住宅ローン減税の拡充」、
「住宅ローン金利の低さ」を理由に「買い時だと思う」と答えています。
リクルートのマンションズのアンケート調査でも同様の結果となっており、少しの差ではありますが、
「買い時だとは思わない」という人が過半数を占めています。
私自信はこれまでも述べているように、「買い時だ」と考える人の指摘する理由、
つまり“低価格”、“優遇税制”、“低金利”がまさに根拠となって
「情報収集と物件の見極めができて、さらに自己資金の準備があれば今は買い時だ」
と思っていますが、現在のような状況下では情報収集と物件の見極めの難易度は高く、
貯蓄が目減りしている方も多いことから、上記のアンケート結果のように、
住宅購入に慎重な姿勢を示している人の方が多いことに少しだけホッと胸をなでおろしています。
しかし、一方で自己資金がほとんど無いにも関わらず、
安易に物件購入に突き進む人も決して少なくありません。
特に高収入な人は高収入だけにこの傾向に陥りやすく、注意喚起をしても“空前の低金利”を理由に、
「今から貯めるくらいなら早くローンを組んだ方が得!」と胸をはります。
また、高収入だけに不況下にあっても比較的将来を楽観視しがちです。
しかも高収入の人はプライドが高く、また日常生活で忙しくしている人が多いため、
住宅に多くの希望条件を求めます。
結果、予算が高くなりがちなのですが、
収入が多いだけに多額の住宅ローンも問題なく借入できてしまうため、
気付かぬうちに危険な購入へと踏み出してしまう傾向があります。
ここではっきり述べます。
世帯年収が1,000万円を超えていたら、
夫婦2人ならつつましい生活をしなくても年間で300万円以上の貯蓄は充分可能です。
また子どもがいたとしても小学生以下など、まだ幼いなら、やはり同程度の貯蓄は可能なはずです。
ましてや住宅を購入しようとされているのですから、事前に頭金等の準備をするのは当然のことです。
にもかかわらず、その当然のことができていないうちに多額のローンを組み、
多額の住宅購入に踏み切ることはかなりリスクが高いと認識すべきです。
今のような時代、現在高年収でもいつそれが途絶えるかわかりません。
また住宅は買ったら終わりではなく、
その維持管理のために、決して安くない費用負担が発生し続けます。
さらに人生、住宅だけが全てではありません。
予想外、想定外なことだらけの人生、最後に生活を支えてくれるのは貯蓄です。
高収入にあぐらをかかず、収入に見合った貯蓄を行い、住宅購入や老後、
そして生活防衛に備えましょう。
その準備ができないうちは、たとえ結婚しても、たとえ家族が増えても、たとえ子どもが進学しても、
また低価格でも低金利でも優遇税制があっても、あなたにとっての“買い時”ではありません。
Life & Home Solusion 代表 西澤 京子