
先日、日本綜合地所が会社更生手続き開始を申請、受理されました。
またしても不動産会社が“倒産”したわけです。
昨年から続く不動産業界の相次ぐ“倒産”は、
そのわずか半年から1年前までは業績が好調であったにも関わらず、
突然かつ急激に業績が悪化し、あっという間につぶれてしまうという衝撃的な事態となっています。
よって、相談に来られた方から、自分の購入したマンションの売主は大丈夫かとよく聞かれますが、
こうした状況下ゆえに非常に難しい判断です。
ここまで不動産市況が低迷してしまうと、どこの会社も少なからずリスクがあるからです。
ただ、日本綜合地所については、数ヶ月前に新入社員の内定取消を行なっておりましたので、
兆候はあったわけです。しかしそれでも実際に“倒産”してしまうと、やはり衝撃を感じざるを得ません。
さて、では購入した物件の売主が“倒産”するとどうなってしまうのでしょうか?
それは“倒産”の状況と、タイミングによります。
まず、一口に“倒産”といっても、その手続きにはさまざまな方法があります。
大きく分けると2通り。ひとつは「会社更生法」や「民事再生法」の適用を受けるなど、
事業の再建を目指す場合と、もうひとつは「破産」や「清算」、「廃業」など事業を存続せず、
会社が消滅する場合とに分けられます。
前者の場合、基本的に会社は存続しますので、建物が完成しているか、
もしくは完成を目指すことになれば、“倒産”前と同様の対応となり、
物件は引き渡される可能性が高いといえます。
一方、後者の場合には、会社は消滅しますので、場合によっては建築工事が中止となったり、
完成済み物件についてもアフターサービスや瑕疵担保責任の追及先を失うことになります。
またタイミングによって状況を分けることになるポイントは、建物が完成しているか否か、
そして完成を目指すか否かです。
建物完成前なら、手付金を放棄して売買契約を解除することもできますし
(場合によっては違約金を求められる場合もありますが)、
また、もし建設が中止されたなら売買契約を解除したり、手付金等の保全措置により、
手付金は戻ってくる可能性が高いです。
よって、引渡し後に売主が破産や廃業などにより消滅してしまうという最悪の事態に備え、
「瑕疵担保責任の履行に関する措置」を講じている(保険加入や保証金の供託など)物件を選ぶか、
今年の10月以降に引き渡される新築物件は、この措置が義務付けられるため、
そうした物件を選ぶとひとまず安心です。
また、建物完成前に売主が破綻し、手付金が戻ってこない事態に備え、
手付金等の保全措置を受けておくことも重要です。
建物竣工前に契約を締結する場合は、売買代金の5%を超える額、建物竣工後は10%を超える額、
もしくはいずれも1,000万円を超える額を手付金として支払う場合に手付金は保証されます。
特に契約から引渡しまで半年以上の長期間を有するような場合には、
仮に売主から「手付金は5%以下でよい」と言われたとしても5%超支払って、
保証してもらった方が安心です。
Life & Home Solusion 代表 西澤 京子