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住宅ローン減税と「フラット50」

12日、2009年度の税制改正大綱が発表になりました。
それによると、延長・拡大が検討されていた住宅ローン減税は、住民税からの減税も盛り込まれ、
これまでの減税よりも拡大することになり、一定の効果が期待できる形となっています。
また2008年度の税制改正で盛り込まれた「長期優良住宅(200年住宅)」に対する優遇税制も踏襲、
いやさらに拡充されることになったといってよいでしょう。
これは戦後の日本の住宅に関する価値観だった“スクラップアンドビルド”に対し、
より長持ちし、次世代に受け継いでいける住宅を促進しようという方針によるものです。

この「長期優良住宅」の普及については、政府が積極的に推し進めており、
来年度の税制改正大綱においても一般住宅を購入した場合と減税において差別化しています。
例えば住宅ローン減税においては、
一般住宅の場合には、2009年・2010年の入居分については、
年末の住宅ローン残高が5,000万円まで、2011年が残高4,000万円、
2012年が残高3,000万円、2013年は残高2,000万円までについて
それぞれ10年間、1%を控除するのに対し、
「長期優良住宅」については、2009年~2011年まで5,000万円までの年末残高について1.2%、
2012年は4,000万円、2013年は3,000万円までの残高について1%を控除するとして
優遇しています。
また、「長期優良住宅」の新築などをした場合の所得税の特別控除の創設もあります。

これに加えて、住宅金融支援機構も2009年4月をめどに、
「200年住宅」など長期間住むことができる性能が高い住宅を対象として
金利を最長50年間固定する新型の住宅ローン「フラット50」を発売する方針を固めています。

基本的には、私も「次世代まで受け継がれる高耐久性と可変性を備えた物件」の普及に対しては
賛成なのですが、いくら建物が長持ちするからといって、
住宅ローンまで50年返済という超長期を推し進めるのはいかがなものかと思います。
それは、返済が長期化すればするほど利息負担が増大するからです。

例えば3,000万円を全期間固定、35年で返済する場合、金利が3%とすると35年間の総返済額は
約4,850万円となりますが、これを50年返済とすると総返済額は約5,796万円となります。
しかし実際、35年返済よりも50年返済の方が金利は高くなるとのことですので、
さらに総返済額は増えることになります。
また元利金等返済の場合、返済初期は元本があまり減りません。
上記の例ですと、35年返済の場合、10年後に元本は560万円程度減りますが、
50年返済になると、10年で300万円程度しか元本が減りません。
これは大きな批判をあびた住宅金融公庫の「ゆとり返済」と同様のリスクをはらんでおり、
なぜこの期に及んでまたしてもこのようなローンを推し進めようとしているのか理解に苦しむところです。

雇用も教育も流動化する中で、今まで以上に住み替えの可能性が高まる中、
住宅ローンの超長期化は必ずしも購入検討者のニーズには合っていないと思います。
よって、「フラット50」の導入で、安くなった月々の返済額により安易に購入を決意するのではなく、
60歳完済必須での購入計画を立ててもらいたいと思います。
そのうえで、将来の住み替えに備え、「長期優良住宅」の購入をお勧めしたいと思います。

「長期優良住宅」の推進と超長期固定金利の住宅ローンの推進、
一見同じ方向を目指しているように思われる二つの事態ですが、
購入検討者のリスクに関しては異なる方向を示すことを認識していただきたいと思うのです。

日時: 2008年12月16日 22:28

Life & Home Solusion 代表 西澤 京子Life & Home Solusion 代表 西澤 京子
CFP® 認定者 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 ・ 宅地建物取引主任者 住宅ローンアドバイザー
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