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今年は珍しく東京が全国に先駆け、桜の満開を迎えました。
「東京の桜」というと、どこを思い浮かべますか?
上野公園でしょうか?
ここはお花見の名所としては格別に有名で、毎年必ずニュースで報じられますね。
しかし、私は断然、千鳥ヶ淵の桜が好きです。
千鳥ヶ淵の桜は約280本、数では上野公園の4分の1弱です。
しかし、千鳥ヶ淵には美しい水辺があります。水辺の桜は本当に美しいです。
しかもこの水辺は皇居のお堀ですので、広大で開放感があり、
土手の緑や菜の花等の草花と相まって、なんとも美しく上品なイメージをかもし出しています。
さらに武道館をはじめ、北の丸公園付近の城壁など、
日本独特の建造物と桜の相性の良さも感じます。
また、樹齢50年の桜の大木はトンネル状に枝を伸ばしており、
前を見ても横を見ても上を見ても桜、桜、桜。
緑道の対岸の土手の桜は水面すれすれまで枝を伸ばし、ボートをこぐ人の手に届くほどです。
そしてなんといっても千鳥ヶ淵の最も良い点は、
ブルーシートを広げ、宴会をしている花見客がいないことです。
さて千鳥ヶ淵といえば昨年からちょっとした話題の「イタリア文化会館」の赤い外壁。
周辺の景観に合わない赤として、塗り替え動議まで出ている赤い壁。
いや壁ではなく、ちょうど柱と梁にあたる部分のようで、赤い部分は格子状になっています。
しかし、日本の文化の一つ、漆塗りの朱色をイメージしたという割には
青味の赤(けっして紫ではありませんが)で、意外にもむしろ満開の桜と合っているような気がします。
昨年の秋には、施工の鹿島建設から、グレーに塗り替える意向が伝えられておりましたが、
イタリア政府の意向に反したのか、桜の時期を迎えた今になっても依然赤のままです。
今後はどうなるのかわかりませんが、無機質な建築物が増えている中で、
なかなか独特の雰囲気を持ったこの建物と千鳥ヶ淵の桜のコラボレーションは
もしかしたら今年が最後になるかもしれませんね。それは私にとっては少し残念です。
しかも本日より東京都の景観計画が施行されました。
大規模建築物に届出や事前協議などを義務付け、建物の色彩や形態に基準を設けるとのことです。
ここ数年のマンションの都心での供給増もあって、
あちらこちらに無機質な色合いとフォルムの建物が増えているように思います。
昨日オープンした東京ミッドタウンもしかり、六本木ヒルズなどは宇宙船のようにさえ見えます。
場所は六本木ですが、それこそ自然の豊富な皇居周辺の景観とは程遠い感じを受けます。
もともと東京は世界の主な都市に比べて「街並み」というか、街の個性が薄いといわれています。
残念ながらもう既に東京で景観や街並みについて議論するのは遅すぎる気がしてなりません。
すぐ近くの番町も昔は邸宅街でしたが、今や高級マンション街。
それぞれのマンションが趣向をこらし、高級感を演出してはいるものの、
皇居周辺の自然にあふれた雰囲気や昔のお屋敷街の趣は感じられません。
かといって、あきらめてしまうのももったいない景観がまだまだ残されているのも事実です。
イタリア文化会館をたたくだけではなく、
これを機会に街全体のイメージをもっとみんなで考えてみるべきなのではないでしょうか?
でもそもそもイタリア文化会館の赤をめぐって意見が分かれているのも事実、
東京の個性が出せる景観って、いったい何なのでしょうね?
そして景観って誰のための何を守るものなのでしょうね?
Life & Home Solusion 代表 西澤 京子