
遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
昨年までのご厚情に感謝いたしますとともに、
本年もまた何卒よろしくお願い申しあげます。
さて、Life & Home Solutionは昨年の10月末をもって
個人向け相談業務を当分の間休業することにいたしました。
しかし一方で、執筆や監修、セミナーの講師などといった
法人向けサービスについては、年内で休業の予定でしたが、
既にお取引のある法人さまからのご依頼もあり、
当分はこれまでどおり、サービスを継続することにいたしました。
個人の方からの相談についても
事業継続を望まれる声は少なくありませんでしたが、
あれほどの震災を経験し、正直いって私自身、
住宅購入支援について、また私自信の人生について
これまで以上に深く考えざるを得ない状況に直面し、その結果として
法人向け業務のみの継続を選択させていただくことにいたしました。
休業以降約2ヶ月半、ブログも金利比較一覧表も更新せず
休養させていただきましたが、
今月より個人向けに情報発信は再開したいと存じますので
時々ブログをのぞいていただけたら幸いです。
また、引き続き各種お問い合わせには応じますので、
何かございましたらお気軽にお問い合わせください。
今回は前回のブログで行なった試算についての解説をします。
まず、借入額が同じでも返済期間や選んだローンによって、
ここまで利息や諸費用の金額が異なることや
そもそも金額の大きさにも驚いたのではないでしょうか?
35年返済の場合、いくら超低金利時代とはいえ
借りた金額の1.5倍の支払いをしなくてはなりません。
また総額が最も多くなるパターンと最も少なくなるパターンの金額差は
1,000万円近くにもなります。
借入期間が20年と35年では
いずれも『フラット35S』がもっとも有利ということになりましたが、
例えば中古住宅等で『フラット35S』が使えない物件の場合には、
事務手数料が高くても
利の低い『フラット35』Bが有利だということがわかります。
ただし上記の試算では「保証料」と「事務手数料」は
借入時に一括で支払う必要がありますが、
総利息と「団信特約料」は借入期間中にわたって分割で支払うため、
購入時の自己資金が少ない方は総支払い額が多くなっても
諸費用の安い方を選ばざるを得ないこともあると思います。
また、借入期間によっては
『フラット35』Bよりも銀行ローンの方が有利になることがあります。
これは『フラット35』の事務手数料が定率制の場合には
借入期間に関係なく一定の金額となるのに対し、
銀行ローンの金利や「保証料」は借入期間が短いほど安くなるためです。
さらに借入期間中の繰上返済の頻度や金額によっては、
総支払額が逆転する場合もあります。
それは定率制の「事務手数料」は購入時に一括で支払うと
以後返金されることがないのに対し、
繰上返済により「保証料」の一部は返金される可能性があり、
総利息と「団信特約料」は大きく減るからです。
なお、『フラット35』の繰上返済は1回につき
100万円以上でないとできませんが、
銀行ローンの場合は少額でも可能ですので、
繰上返済の頻度や金額の予定など、
今後の返し方をよく考えてみることが重要です。
以上のことから住宅ローンは借入金額をできるだけ少なく、
また借入期間をできるだけ短く組むことが鉄則です。
当初の10年間は住宅ローン控除があるからといって
多額の金額を長く組むことはナンセンスです。
年末のローン残高が100万円多くても
1年分のローン控除額は1万円増えるだけですが、
100万円分借入額を減らせば、元利均等35年返済、
『フラット35S』Bで組んだとすれば
総利息だけでも約40万円も減らせます。
またよく
「家賃はいくら払っても自分のものにならず、お金を捨てているようなもの」
とおっしゃる方がいらっしゃいますが、
こうしたローンの利息や諸費用に加えて管理費、修繕積立金、
固定資産税、都市計画税、場合によっては駐車場使用料なども
家賃と同じようなものではないでしょうか?
そして“自分のもの”となる住宅は、
バブル崩壊後の地価下落の状況下にあっては
年々価値が下がっていくわけですから、
これからの住宅購入は長期的視点で家計の推移を予測し、
慎重にじっくり、そしてさまざまな試算を行って
検討していただきたいと思います。
今回もまた、はりきって住宅ローン試算をしましょう。
今回は住宅ローンの利用にあたって必要な諸費用についてです。
住宅ローンの諸費用とは具体的に「保証料」、「事務手数料」、「印紙税」、
「抵当権設定費用」などをいいます。
他にも『フラット35』や財形住宅融資といった
住宅金融支援機構の融資については「団体信用生命保険の特約料」が必要となり、
また、一部の金融機関では固定金利を選択した場合に
「固定金利手数料」が必要となります。
「固定金利手数料」は定額制で1万円程度ですが、
「事務手数料」は定額制の場合と
借入額に一定の比率をかけて求める定率制の場合とがあり、
「印紙税」や「抵当権設定費用」は借入額によって異なります。
「保証料」は借入時に一括で支払う方法と金利に上乗せして支払う方法とがあり、
借入額が多いほど、借入期間が長いほど費用が高くなります。
「団体信用生命保険の特約料」(以後「団信特約料」という)は
借入額と借入期間、金利によって総額が異なります。
以上のように費用のかかり方が異なるため、
「保証料」は必要だが「団信特約料」が金利に含まれる銀行ローンと、
「保証料」は不要だが「団信特約料」が別途必要となる『フラット35』と
どちらが有利か、また『フラット35』を利用する際には、
金利が高めだが「事務手数料」が安い金融機関(A)が有利なのか、
金利は低めだが「事務手数料」が高い金融機関(B)が有利なのか、
といったことが問題となります。
ではこの件について、総支払い利息額が確定する
全期間固定金利(今月の実際の適用金利)で試算してみましょう。
*前提条件 借入額:3,000万円 元利均等返済 ボーナス併用なし
全期間固定金利
◎借入期間20年の場合
(某都市銀行の金利:2.25% 『フラット35』の金利:A:2.11% B:1.89%)
・某都市銀行:(総利息)7,282,196円+(保証料)445,020円+(手数料)31,500円=7,758,716円
・『フラット35』A:(総利息)6,799,873円+(団信特約料)1,173,900円+(手数料)31,500円 =8,005,273円
・『フラット35』B:(総利息)6,049,702円+(団信特約料)1,166,600円+(手数料)409,500円 =7,625,802円
・『フラット35S』B:(総利息)5,301,004円+(団信特約料)1,157,900円
+(手数料)409,500円=6,868,404円
◎借入期間35年の場合
(某都市銀行の金利:2.4% 『フラット35』の金利:A:2.4% B:2.18%)
・某都市銀行:(総利息)14,371,886円+(保証料)618,330円+(手数料)31,500円
=15,021,716円
・『フラット35』A:(総利息)14,371,886円+(団信特約料2,176,000円+(手数料)31,500円 =16,579,386円
・『フラット35』B:(総利息)12,912,452円+(団信特約料)2,153,200円
+(手数料)409,500円=15,475,152円
・『フラット35S』B:(総利息)11,991,823円+(団信特約料)2,134,900円
+(手数料)409,500円=14,536,223円
本来、総支払い利息は諸費用には含みませんが、
団信特約料が金利の影響を受けるうえ、
『フラット35』の取り扱い金融機関の選択においては
金利と事務手数料の関係があるため、利息も含めました。
以上の結果の比較については次回、解説します。
Life & Home Solusion 代表 西澤 京子